#紹介
19世紀イギリスのアッシリア学者ジョージ・スミス(George Smith, 1840–1876)は、大英博物館に勤務し、古代メソポタミア文献の解読で大きな業績を残した人物です。とくに、のちに『ギルガメシュ叙事詩』として知られることになるメソポタミアの洪水物語を解読・紹介したことで広く知られます。1875年に刊行された 『Assyrian Discoveries』 は、ニネヴェ遺跡を中心とする二度の発掘調査の記録と、その成果にもとづく歴史・文化的考察をまとめたもので、初期アッシリア学の発展を知るうえで重要な著作です。
生き生きと描写された旅の様子も面白いものですが、最も注目すべきはやはりギルガメシュ叙事詩の発見でしょう。未だこの英雄の名前は知られておらず、ジョージは楔形文字の読みに従ってギルガメシュをイズドゥバル、エンキドゥをヘアバニと読み下しました。ジョージはイズドゥバルを聖書物語に登場するバビロニアの勇士ニムロドそのひとであろうと考えました。19世紀のギルガメシュ叙事詩がどのように語られているか、十一章をぜひ読んでみてください。
