
#第二十章 諸文書
光への賛歌――翻訳――イズドゥバルへの祈請――その崇拝――バビロニア人の本文――ベル神への祈り――氾濫――七つの悪霊――彼らの行い――ベル神――シン神、シャマシュ、イシュタル――ムーンへの攻撃――天界の戦争――ヘア神への伝言――メロダックの使命――伝説の比較――神々の性格――天文学――四季――閏月――天測器――食の観測――法の尊重――碑文――書簡――売買証書――アッシュールバニパルの年号――奴隷の売買――音節表――二言語対照表。
前章において私は、新しく収集された資料のうち幾つかの主要な歴史碑文を指摘した。だが、これらは発見された文書のごく一部に過ぎない。さらに、神話、天文学、占星術、地理、博物学、魔術、悪霊、法、契約、書簡、報告書等にわたるあらゆる類の碑文や碑文の断片が存在する。私は収集物の内容を示す例としてこれらの文書の幾つかを取り上げるつもりであるが、それらを尽くして公正に論じるにははるかに大きな著作を必要とするであろう。私が最初に選んだ粘土板はここに撮影してあるもので、私はこれを天の光への賛歌と呼んで差し支えない。
しかしながらこの名はほとんど粘土板の様相を言い尽くしてはいない。板は急な転換に富み、光を讃える節と、光が女神として語る節とが交互に並んでいる。粘土板の表は「天の光よ、地に火のごとく汝は点ぜられたり」という語で始まる。写真に撮られている裏面は次のように読む――
- 天の倉にて燃え起つもの、そして人の都市へと飛びゆく、我が栄光。
- 上下の天の女王よ、彼らは我が栄光と呼ばん。
- 諸国を一挙に、我は我が栄光にて掃う。
- 諸国の城壁は我なり、我が栄光にしてその大いなる防壁なり。
- 汝の心よ、喜べ。汝の肝よ、満たされよ。
- 偉大なる主アヌ神よ、汝の心よ、喜べ。
- 偉大なる山の主ベル神よ、汝の肝よ、満たされよ。
- 天の女神よ、汝の心よ、喜べ。
- 天の女主人よ、汝の肝よ、満たされよ。
- アンナの神殿の女主人よ、汝の心よ、喜べ。
- ウルクの女主人よ、汝の肝よ、満たされよ。

- おお、ザスフ=エレクの女主人よ、汝の心よ喜べ。
- おお、ハリス=カラマ(世界の峰)の女主人よ、汝の肝よ満たされよ。
- おお、シリム=カラマの女主人よ、汝の心よ喜べ。
- おお、バビロンの女主人よ、汝の肝よ満たされよ。
- おお、ナナと名づけられし女主人よ、汝の心よ喜べ。
- おお、神殿の女主人、諸神の女主人よ、汝の肝よ満たされよ。
- 女神の嘆き
- 古い写しのように、書かれ説明されたとおり。
- アッシリア王アッシュールバニパルの宮殿、
- 諸国の王、アッシリアの王、バビロンの大祭司であるエサルハドンの子、
- スミルとアッカドの王、クシュとムズル諸王の王、
- 四地域の王、セナケリブの子、
- 諸国の王、アッシリアの王。
- アッシュールとベルティス、ネボとウルミトに信を寄せる者。
- 汝の王国、神々の光。
ここでは最初の数行が二重になっており、一方はトゥラニア語、他方はアッシリア語である。後の行では末尾の動詞が省かれ、それが上の行と同じであることを示すために細い横線で示されている。
第十八行は連続する次の粘土板の冒頭行の写しを含み、第十九行から第二十六行は跋文を収めている。それには当該粘土板が原本の真正な写しであるという文、アッシュールバニパルの系譜などが記されている。
新収蔵品には同類の興味ある粘土板がもう一枚ある――イズドゥバルへの祈請文で、彼は洪水伝説の英雄であり、死後に神格化された。この粘土板には、その英雄の力の観念が力強く表れている。
#イズドゥバルへの祈願(ニムロドか?)
- イズドゥバル、巨人の王、天使の審判者。
- 人びとの中に偉大なる高貴な王子、
- 世界の征服者、地の支配者、冥界の主。
- 神のごとく語る審判者。汝は分け、
- 汝は地に定め、汝は裁きを完遂する、
- 汝の裁きは変わることなく、他のものは存在しない。
- 汝は略奪し、喜び、裁き、分配し、整える。
- シャマシュは知恵と力を汝の手に与えた、
- 王たち、祭司長たち、王子たちは汝の前に服する。
- 汝は彼らの道を分け、彼らの力を砕く。
- 我、かくかくなる者、某の子、その神かくあり、その女神かくあり、
- 疫病が覆い、裁きをもって彼に臨んだ。
- 我が力は我の前で弱さに変わる、
- 我がために裁きを与えよ、等々……
その粘土板の残部は毀損しており、まだそれを読み終える時間がないが、碑文の残りは収蔵品の中にあるだろうと期待している。しかしこの部分だけでも、イズドゥバルに対する民衆的観念を示しており、私はこれを『創世記』の巨人狩りと考えている。われわれは常に念頭に置かねばならないのは、イズドゥバルは暫定的な名にすぎず、私がその冒険譚を初めて発見したときにこの英雄に当てた名であるということである。本名はいまだ判然としない。というのも、それを構成する文字を我々は読めないからである。解読されればニムロドであることが判明するだろうと私は考えている。この君主のほかに、二人のバビロニア人の王、スカムヌとアマル=アグもまた神格化されていた。
バビロンで、私はベル神の神殿に付属するバビロニア人の図書館の第一回分を成すいくつかの粘土板を入手した。これらの粘土板の中には、バビロニア人の神殿における儀式に関する興味深い記録が含まれていた。以下の翻訳は、トゥラニアン語およびセム系バビロニア語で記された一枚の粘土板に基づくものである。
#ベル神の神殿の粘土板。
- ニサンの月、第二日、夜の一カスポ(二時間)、
- アミル・ウルガルが近づき、川の水を観察する。
- ベル神の前に入り、測り、そしてベル神の前で
- それに印を記し、ベル神にこの祈りを捧げる:
- 「ああ、力において比類なき主よ。
- おお主よ、善き統治者、世界の主よ。
- 大いなる諸神の裁きの執行者。
- 力に満ち、強さをまとわれる主よ。
- 人間の王たる主よ、栄光を樹てる者。
- 主よ、汝の座はバビロン、ボルシッパは汝の冠である。
- 広き天は汝の肝の広がりである[十二・十三行は意味不詳]。
- 汝の力よ、汝は……
- ……主よ、強大なる者、
- 報いを返す……
- 打ち倒された者たちに、汝は恵みを与えたまえ、
- 汝の力を讃える者に応えたまえ。
- おお、地の主、万人と霊の主よ、良きことを語りたまえ。
- いったい誰がありて、口が汝の力を讃えぬであろうか、
- また汝の法を語り、汝の支配を讃えぬであろうか。
- おお、日神の神殿に居まします地の主よ、汝に向かって差し伸べられた手を取りたまえ、
- 汝の都バビロンに恩恵を賜え、
- サッガルの神殿、汝の神殿に御顔を向け給え、
- バビロンとボルシッパの子らに祝福を賜え。
新収蔵品の中には、ニサンの第一月の諸日に行われる類似の儀式についての指示を示すこの種の粘土板がいくつか含まれている。粘土板の文言から、これらの儀礼は氾濫の上昇と結びついているらしく、これはバビロニア人にとって最も重大な事柄であった。アミル=ウルガルと呼ばれる役人は、流れを監視して神殿に水位を記録し、同時にベル神、バビロンの偉大なる神に国が恵まれんことを祈らねばならなかった。
バビロニアの宗教に関わる興味深い神話にはいくつかの例がある。私は既にその一つ、残念ながらあまりに損傷が甚だしく翻訳に耐えない創造の記述を述べた。そこには、神々が会議のうちに宇宙を造るとき混乱が起こり、神々は生命の霊を送り出したと記されているようである。次に彼らは野の獣、野の動物、あるいは野に這うものを創り、そこに生命の霊を宿らせる。続いて家畜と都市の這うものの創造がある。碑文には合計十四行の欠損した行が残されている。
新収集は、この種の優れた破片をもう一つ産し、それは他の幾つかの破片に接合して、七柱の悪霊に関する奇妙な神話を補完するのに資している。
この粘土板は一連のものに属しており、私にはベロソスが記すところの、洪水の前にクシストロスが埋め、洪水が退いた後にバビロニア人が回収したという板状文書に相当するものと見える。これらの板は、バビロニアの初期王朝期にあるカルデアの祭司が書いたものであり、その作者がそれらを洪水以前の作品として記述することで重要性を増そうとした可能性がある。既知の碑文のうち、この想定される記録に相当しうるものは他に見当たらない。七人の邪神または精霊の歴史を記したこの板は、大きな粘土板の両面に記され、六列にわたって書かれている。最初の三列のみが伝説に直接言及し、残る列もまた類似の主題に属している。
悪しき七神あるいは霊の物語を記した粘土板。
#第一列
- 初めの日々に、悪しき神々は
- 反逆していた天使たち、天の下部に
- 創造されていた、
- 彼らはその邪しき業を為した。
- 邪悪な頭を巡らせて企てつつ…
- 河にまで支配を及ぼし…
- 彼らは七柱であった。第一は…
- 第二は大いなる獣であった…
- それは誰も…
- 第三は豹であった . . . .
- 第四は蛇であった . . . .
- 第五は恐ろしい . . . . それは……に対して . . . .
- 第六は打撃者であった、それは神と王に服さなかった、
- 第七は悪しき風の使者であった、……をもたらした。
- 彼ら七柱はアヌ神、彼らの王の使者であった
- 都市から都市へと巡回した
- 天の嵐が強く彼らに結び付けられていた、
- 天の飛ぶ雲が彼らを取り巻いた、
- 明るい日中に暗闇をもたらす天の豪雨は
- 彼らに付随していた。
- 激しい風、悪しき風とともに、彼らは動き出した、
- ヴァルの嵐が彼らの力であった、
- ヴァルの右の手にあって彼らは現れた、
- 天の表面から稲妻のごとく彼らは突進した、
- 水の深淵へと降り、まず到来した。
- 王であるアヌ神の広大な天において
- 悪をもたらし、対抗する者はなかった。
- このとき、ベル神はこの事を聞き、
- その報告は深く彼の心に沈んだ。
- 彼は神々の高貴なる智者ヘア神と協議を行い、
- シン神、シャマシュ、そしてイシュタル
彼はそれを治めるために、天の下方にビーナスを司らせた。
- アヌ神とともに、天の全き支配に彼らを据えた。
- その三人を、神々として、彼の子らとした。
- 昼と夜とを結び、分かれざるように、
- 彼は彼らに命じた。
- その日々に、七つの邪なる霊が
- 天の下方に起こり、
- シン神の光の前に激しく来たり、
- 高貴なるシャマシュと大気の神ヴァルを、その側に武者として向け、
- イシュタルをアヌ神なる王とともに尊き座に
- 据え、天の支配に定めた。
#第二列
- 神は . . . . .
- . . . . . . .
- 神は . . . . . .
- それは . . . . . .
- その頃、彼らの七人は . . . . . .
- 先頭にあって、統制するために . . . . . .
- 悪は . . . . . .
- 彼の尊い口が飲むために . . . . . .
- シン神、支配者は . . . . . 人類
- . . . . . . 地の
- . . . . . . 困惑し、高みに座した,
- 夜も昼も恐れて、支配の座に腰を据えなかった。
- それらの邪悪なる神々、王アヌ神の使者たちは
- 邪なる心をもって互いに助け合わんことを企て、
- 共に悪を語り、
- 天のただ中より風のごとく地へと降りてきた。
- 高貴なるシン神のベル神は、その苦悩を
- 天において見て、
- ベル神は従者ヌスク神に言った:
- 「従者ヌスクよ、この報を海へ運び、そして
- 天において大いに乱れている我が子シン神の知らせを、
- 海のヘア神に伝えよ。
- ヌスク神は主の意を服し、
- 海のヘア神のもとへと降りて行った。
- 王子であり高貴なる賢者、主であり揺るがぬ神のもとに、
- ヌスク神は主の消息をただちに伝えた。
- 海のヘア神はその知らせを聞き、
- 口を開いて語り、その口を知恵で満たした。
- ヘア神はその子メロダックを呼び、この言葉を語った:
- 「行け、我が子メロダック、
- 天にあって大いに動揺する輝くシン神の中に入り込め。」
- その災いを天から追い払え。
- そのうち七は邪神、死の精霊、恐れを知らず、
- そのうち七は洪水のごとき邪神、
- 下りて地を襲い掃う。
- 嵐のごとく彼らは地に降り来る。
- シン神の光の前に彼らは激しく現れ、
- 高貴なるシャマシュと戦士ヴァル、彼らはその脇に回り……
この奇妙な説話の次の三十行はなお失われており、おそらくヘア神の残る言葉を含み、天における出来事と、ヘア神を援助するためにメロダックが遣わされた使命を記していたのであろう。
伝説の以下の部分は六片の断片を残すにすぎず、しかしそれらは本文の復元には十分でない。この碑文はユーフラテス川流域に行き渡っていた神話の興味深い図を我々に示している。彼らは世の初めに天に混沌または混乱があり、怪物の姿をした動物が宇宙において悪霊として跋扈し、太陽・月・星々はいまだ所定の位置に据えられていなかったと信じていたらしい。天の上層を治めていたのはアヌ神で、いくぶんギリシアのウラノスに相当するところがある。彼は天の神にして七柱の悪神の王であり、ヴァルという名の子をもうけていた。ヴァルは大気とその一切の現象の神であった。地上を治めるのは中間域の神ベル神であり、バビロニア人の崇拝の主たる対象であった。アヌ神は天においてむしろ受動的な神格を示し、すべてを見守るものの、めったに干渉しなかった。
ベル神は他方、あらゆる事柄に働きかけ、支配し、創造する作用原理を表している。深海、あるいは地中の領域はヘア神が治め、ヘア神は神々の心智あるいは知恵を象っている。したがって、バビロニア人の主たる三神はある種の三位一体を成し、神性を三つの面で示している。怪物じみた形相の七人の邪神あるいは精霊は、おそらくユピテルと戦ったギリシアのタイタンの原型であろう。ベル神は天の混乱を見て、そこに太陽とムーンとビーナスを置くことを決し、ビーナスは星々の象徴として、これらの天体が天を治め導くようにした。混沌の象徴たる邪霊たちはこの変化に抵抗し、ベル神の長子ムーンに戦いを挑み、太陽・ビーナス・大気の神ヴァルを味方に引き入れる。ベル神はこれを聞き、助言を得るためヘア神のもとへ使者を遣わす。伝説はおそらく七人の邪霊の滅亡または懲罰と、国の善き王の型と見なされるムーンの勝利とで終わるのが最も蓋然性が高い。後の一節には「神の子たる王(すなわち敬虔な王)は、栄えあるムーンのごとく国の生命を支える」とある。
ベル神が怪物の支配を終わらせ、太陽・月・星辰を天に据えたというこの伝説は、カルデアの祭司ベロソスによる天地創造の記述に対する興味深い注解を成す。ベロソスは、ベル神が光と天体を創造する以前に怪物が地上に存在していたと記しているからである。
しかしながら伝説の細部はベロソスのギリシア語訳のそれと著しく異なっており、これらの神話が早い時期にカルデアで種々の形をとっていたという考えを示唆する。類似の伝説の他の断片が新たな収集に収められており、それらを継ぎ合わせて補えば、おそらく同じ方面に関して新しく興味深い事柄を供するであろう。
天文および占星に関する粘土板の区分には、新たに発見された興味深い板が数多く含まれている。これらのうち幾つかは、天の区分や恒星の位置について我々に最初の洞察を与える。ある一片は、天空が四つの領域に分かれており、太陽がそれらを通過することによって一年の四季が定められたことを示している。この断片はまた年の配列法をも示しているので、これまでに発見された中で最も貴重な天文学的文献である。以下は碑文の翻訳で、いくつかの小さな復元を施してあるが、これらは文の規則的な性格から容易に補える。――
- アダル月の一日からイヤール月の三十日まで、太陽は大女神の区分(あるいは季節)に在り、
- 定まり、降雨と温暖の時期である
- シヴァン月の一日からアブ月の三十日まで、太陽は
- ベル神の区分(または季節)に定まり、作物と暑さの時節である。
- エルル月の一日からマルヘシュバン月の三十日まで、太陽は──
- アヌ神の区分(または季節)に定まり、降雨と暖かさの時節である。
- キスレブ月の一日からセバト月の三十日まで、ヘア神の区分(または季節)に太陽が定まり、寒冷の時節である。
- ニサン月の一日に諸星の主星とムーンが平行するなら、その年は正しい(または平年)である。
- ニサン月の三日に諸星の主星とムーンが平行するなら、その年は閏年(すなわち十三か月を有する年)である。
これによれば、この碑文が記された当時、春季はアダル(年の最後の月)、ニサン(年の最初の月)およびイヤールに亘るものと数えられており、すなわち二月に始まり五月に終わっていたと見受けられる。
夏期はシバン、タムーズおよびアブの月にわたり、五月に始まり八月に終わった。 秋期はエルル、ティスリおよびマルヘシュバンの月にわたり、八月に始まり十一月に終わった。 冬期は諸月にわたった。
キスレブ、テベおよびセバトは十一月に始まり二月に終わる。これらの期間を一致させかつ正確に示すため、天空は四つの領域に分けられ、太陽がその一区から他へ移ることが季節の変化を標した。本碑板においては常例に従い「月」と「日」の語を訳したが、むしろこの場合「日」は天空の一度を、「月」は十二宮の一標識を意味すると思われる。したがって「アッダル月の第一日からイヤール月の第三十日まで」と訳すべきところは「魚座の第一度から牡牛座の第三十度まで」とすべきであり、以後も同様に訳すべきである。アッシリアの年はユダヤ暦と同様に十二の太陰月から成り、太陽年との適正な関係を保つために時として閏月が加えられた。余月をいつ加えるべきかを知るため、彼らは「星中の星」と呼ばれる一つの星を観察した。それは太陽が春分を通過するとき太陽よりやや先行していた。もしその月の第一日に月がその星と並んでいれば閏月を設けず、しかし第三日に至ってもその星に達しないならば、それは(十二の太陰月が太陽年に比べて短いという事実により)年が春分よりもあまりにも前に始まっていることを示す。したがって年を改めるために閏月が加えられた。天空の区分および各区分における幾星の名に関するこの情報は、時を経て我々のバビロニア人の天文学に関する知識にある程度の精密さを与えるであろう。
私は既にこれらの手掛かりによって、約三十個の主要な星を概ね位置づけ、場合によっては同定することができた。四つは天体盤の断片に示されており、ウルバトとアッディルは蠍座に、ニバト-アヌ神とウドカ-ガバは射手座に属していた。星ニバト-アヌ神はこれまで誤って惑星と考えられてきた。
この記録において天の四方が新年に始まらないという事実は、バビロニア人の天文学が最初に成立したとき以来、歳差により季節が移動しているかどうかを問うべきことを示唆する。別の興味深い同類の資料は星盤で、私がセナケリブの宮殿でその一部を発見したものである。この星盤では天と一年が器物の円形によって表され、周縁は本来、黄道十二宮に対応する十二の区、すなわち一年の十二か月に相当する区に分けられ、各区の度数が刻まれていた。その内側には極に近いところにさらに十二の区があって第二の内円をなし、二十四の各区には主要な主星が配されている。以下の図はこの作品の概念を伝えるであろう。ただしアッシリアの写しは円の周囲に配されていることを念頭に置かれたい。
| アラフ-ウル-ガブ-ア |
|---|
| 月 マルヘシュバン |
| (十月) |
| 星 ウル-バト |
| 百四十 |
| 度 |
| * |
| アラフ-ガン-ガン-ナ |
| 月 キスレブ |
| (十一月) |
| 星 ニバト-アヌ神 |
| 百二十 |
| 度 |
| * |
| 星 アッディル |
| 七十 |
| 度 |
| * |
| 星 ウド-カ-ガブ-ア |
| 六十 |
| 度 |
| * |
私は、マルヘシュバンの月に記された数値、百四十度および七十度はアッシリア写本の誤りで、百五十度および七十五度であるべきだと考える。
これらおよびその他いくつかの類似の文書は、バビロニア人の星名を整理し、彼らの天の区分を確かめるうえで大いに価値があるであろう。アッシリア人とバビロニア人の天文学に関するあらゆる研究は、彼らの体系に従った星の位置が定まらないかぎり、ほとんど役に立たない。
当時、ユーフラテス川の谷間には主要な諸都市の大半に天文観測所があり、専任の天文学者たちは定期的に天体の観測を行っていた。観測の写しは王に送られたが、それは天に現れる一挙一動が国の吉凶を告げるものと考えられていたからである。コユンジクのセナケリブの宮殿で次の報告が発見された:—
- 王、我が主に捧ぐ、あなたの僕アビル=イスター、
- 王、我が主に安寧あれ。ネボとメロダックが
- 王、我が主に好意を示さむことを。寿命の長さ、
- 身体の健やかさと心の喜びを、偉大なる神々が
- 王、我が主に与えたまわさんことを。月蝕について、
- 王、我が主が私に送られしものに就いて。アッカド、
- ボルシッパ、およびニップールの諸都市にて、観測を
- 行った。そしてアッカドの都市において
- 我々は一部を見た……
- 観測は行われ、月蝕は起こった。
- ……
- ……月蝕は……
- ……見たか?……
- 碑文に書かれているものは……
- 私が観測を行った……
- これを王、我が主に送る。
- さらに我々が日蝕のために観測を行ったとき、
- 観測は行われたが、それは起こらなかった。
- 私が目で見たそのことを、王、我が主に
- 送る。起こったこの月蝕は
- 実際に起こったもので、諸国に関わる
- その神々すべてと共に。シリアの地において
- フェニキアの国は閉ざされる、
- ヒッタイトの国、カルデアの民の国も、
- しかし王、我が主には平安を送り、そして
- 観察に従って、災いを拡げることなく、
- 王、我が主への災いの拡大が
- あらざらんことを。
これらの人々の法と正義に対する配慮は、コユンジクの北宮で発見された以下の碑文に見て取れる。
…(語の断片)が彼に及び、彼は贈り物を受け取り、
- 王が裁きに従って語らないとき、民は衰え、国は衰退する。
- その国の法に従って語らないとき、運命の主ヘア神、
- その運命が宣告し、彼は退けられる。
- 善政に従って語らないとき、彼の日々は短くされる。
- 良き粘土板に従って語らないとき、国は侵入を受ける。
- 破壊に従って語るとき、国は分裂する。
- ヘア神の書に従って語るとき、大神々は
- 栄光と正しい賞讃のうちに彼を座に就かせる。
- もしシッパルの都市の子が裁きを打ち負かし、裁きを曲げるならば、天と地の審判者シャマシュ、
- 別の審判者を彼の国に置き、不正な審判者に代えて正義ある君主と公正な審判者を置く。
- ニップールの都市の子らが裁きのために…
- ベル神、諸国の主は、彼に対して別の敵を
- 強め、その軍を滅ぼすであろう。
- 王子とその将軍は、罪人のごとき足枷に縛られるであろう。
- もしバビロンの子らが銀を持ち、贈り物を送り、
- バビロン人の審判官が聞き入れて不正に傾くなら、
- 天と地の主メロダックは、彼に対する敵を立てるであろう、
- そしてその財物と家財をその敵に与えるであろう。
- これを行うニップール、シッパル、バビロンの子らは、
- 投獄されるであろう。
同様の趣旨の行が他にもいくつかあり、これは多くの粘土板と同様に、はるかに古いバビロニア人の原本からの写しであるらしい。アッシリア人は実のところ自らの独自の文学をほとんど持たず、彼らの著述のほとんどすべてが初期バビロニア人の文献の写しであった。
別の興味深い類の粘土板は小さな文言から成り、如何にも宮殿内の種々の彫刻の上にどの碑文を刻むべきか職工に示す指示のようである。私はそのうちの一枚をコユンジクの南西宮殿で見出し、翻訳した。

- エラムの王テウンマンの切断された首の前に、
- 彼を我が手に渡されたのは我が主イシュタルであった、
- アルベラの都への入城を歓喜のうちに果たした。
- ドゥナヌ、サムグヌ、パリヤ、
- 日の昇る地と日の沈む地において、
- 我に随行する者たちを驚かしつつ、彼らを縛り上げた。
- エラムの王テウンマンの切断された首を携えて、
- 我は歓喜してアルベラへの道を進んだ。
- 我はアッシュールバニパル、アッシリアの王である。ウルサの有力者たち

- エラムの有力者ナブー=ダミクとウンバラダ
- 反抗の罪で彼らを拘束し、その面前に据えた。
- その面前で、第二の者マンヌキアヒ、アッタザブニ
- および都市の長官ニニプ=ウザッリ――彼らの舌を私は引き抜いた、
- 私は彼らの皮を剥ぎ取った
- アッシリア王アッシュールバニパルの戦列、エラムの滅亡を成し遂げた者
- エラム王テウマンの戦列
- エラム王テ・ウンマンの首。
- 我はアッシュールバニパル、諸国の王、アッシリアの王、
- 敵を征する者なり。テ・ウンマンの首をニネヴェの都へ、
- アッシュール、シン神、シャマシュ、ベル神、ネボ、ニネヴェのイシュタル、
- アルベラのイシュタル、ニニプ、ネルガルへ、我が軍の者どもは歓喜して運び入れ、
- 大門の前に、並びにアッシュールの副王の前にそれを置いた、
- 我が足台の前に。
- 我はアッシュールバニパル、諸国の王、アッシリアの王、
- ナブー=ダミクとウンバラダ、偉大なる人々。
黒線の間のそれぞれの区画には、それが説明する特定の彫刻された場面に添える碑文が収められていた。この板上のすべての碑文はテ・ウンマンに対する大戦に属し、大円筒碑文ではそれが王の第五回遠征と呼ばれている。類似の碑文は彫刻にも見られ、そのうち幾つかは大英博物館に収蔵されている。
次の粘土板はセナケリブの宮殿で出土した請願文である。カルズィの宮殿に関係する役人、ベル=バサという名の者によって差し出されたもので、カルズィは現代のシェママクの址にあるアッシリアの都市である。そこの宮殿は王の妻たちの居所として充てられていたらしく、修理が行われなかったために危険な状態となっていたようである。
- 王、我が主へ
- 王、我が主のしもべ、ベル=バサより
- 王、我が主に平安あれ。
- ネボとメロダック
- 王、我が主を甚だ
- 祝福されますように。
- 女王の宮殿について、
- 都市カルジにある、
- 王、我が主が我らに賜ったものの、
- その建物は朽ちつつある。
- その建物の基礎が開いている。
- 基礎が盛り上がっている。
- その煉瓦が突出している。
- 王、我が主はいつ命じられるのか、
- 工事監督を。
- 命令を出してくだされ、
- 彼が来て、基礎を
- 強固にするために。
この粘土板に関しては、興味深い事実として、セナケリブが紀元前七〇四年にカルジの宮殿で幾つかの工事を行ったことに言及している点が挙げられる。
以下の碑文は、紀元前六七〇年、エサルハドンの治世末に属し、アッシリア南東のラーヒル市近傍でエラムの国境に近接する一農園または囲い地の売却を記すものである:
#アッシリアの売買契約書
- ネルガル=イライ総督の印章。
- 都市ラーヒルの。
- 同地の第二の者、シン神=サル=ウズルの印章。
- 同地の第三の者、ムサスの印章。
- 同地の……の監督であるザビヌの印章。
- これにより、売却された囲いの所有者として四人が定められた。
以下に印章の印影を掲げる。
- バハイの囲域、その全体。
- セクル(エーカー)で計り、面積は五百とする地。
- タブハリの囲域に接し、
- サクッラトの支配者ジリー=ベル神の囲域の地に接し、
- パクトの市およびドゥル=マンナイの市の地に接し、
- アヒヤ=アムヌの囲域とジリー=ベル神の囲域の地に接する。
- 彼らは売却した。そしてアダル=イル、官吏
- バビロン王の子の。
- 銀十四マナ(十五ポンド)の代価として、
- 王より買い取られた…。
- 食用とするための…。
- …セクル(エーカー)
- …:カル・アブヒ
- 今年、その銀は…の勘定として、
- …置かれた、その者の土地は、
- その土地から出た、播種のための種子は、
- 彼らは撒かなかった。そしてその穀物は、
- 彼は収穫しない。
- 証人 シン神・ベル神・ウズル、大徴収官、
- 証人 サリムハ、宮廷の
- 第三の人、
- 証人 ベル神・ナヒド、王の子の大臣、
- 証人 マンヌ・キ・アッシュール神、書記、
- 証人 マルドゥク・サラニ…
- 証人 ギナイ(エラム人)
- 証人 ナブ・ムサ、書記
- イヤール月一日、
- サルム・ベル神・ラスミ、ディリ市の総督の年に、
- (板の縁に)
- 囲いの地の境によって区切られる
- ラ…
この碑文ではエサルハドンは単にバビロンの王として語られている。これは、彼が既に長子アッシュールバニパルを自らとともに王位につけ、アッシリアを彼に譲り、バビロンを自らのものとして留め置いたことを示唆するものであろう。
それゆえアッシュールバニパルの即位は、私が以前に考えていたより幾年か早く、恐らく紀元前六百七十一年に行われたのであろう。
この地所を買ったアダル=イリは三年前にラーヒルの総督であったが、今やアッシュールバニパルの官吏に昇進し、ネルガル=イライがラーヒルで彼に代わった。
証人の三人目であったベル神=ナヒドは、数年の後に総司令官に任じられた。
新収集に含まれるこれらの売買証書のうちの一通は、ユーフラテス川流域に当時も今も存した奴隷制の一例を示している。この泥板は一人の少女がセナケリブの宮殿に仕える女の一人に売られたことを記し、その年記は王の年名により紀元前六八七年に当たる。おそらくこの少女は王の後宮に備えられるためであった。
セナケリブ宮殿(コユンジク)出土の女奴隷売却記録を記した粘土板。
- 女ダリヤの印章
- 売られた少女の女主人
印章のための空所。
- 少女アナダラティ
- サヤラドゥの娘
- 彼女は売られ、
- 宮廷の女アヒティッリ、その手から
- 女ダリヤのために、その代価として
- 銀の半マナで買われた。
- 売買は完了し、彼女は
- その少女を、
- 買われた代価に従って引き渡した。
- そして改めてはならないとの裁定が下され、
- …。
[ここに、証人の名を記した数行が失われている。]
b. アッシリア王セナケリブの年名。
新収集の音節表や二言語対照表のうち幾つかは研究者にとって大いに価値があるが、こうしたものは楔形文字を付さなければ本書のような著作で適切に示すことは不可能である。そのうち二つはアッシリアおよびバビロニアの諸都の古名を注記しており、別の一つは各種の護衛や見張りの名称ならびに人々の類別を示す字標を説明している。さらに私が既に述べた四列の音節表(一〇一頁)もある。多数の他の字標のうち、通常『im』と読む一字について、次の音価が示されている:—
- Pu-luh-tu、畏怖。
- Ra-ma-nu、自己。
- E-mu-qu、力。
- Zu-um-ru、背または皮膚。
- Sa-mu、天。
- Ir-zi-tu、地。
- A-hu-u、兄。
- Di-du、友。
- Sa-a-ru、風。
- Zu-un-nu、雨。
- Dup-pu、粘土板。
この種の多くの碑文、および本章に収めたものに類する他の碑文は、未だ複写も翻訳もされていない。この所蔵資料の当該部分についてさらなる作業を行えば、疑いなく新たで重要な碑文が明らかになるであろう。
